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主ながんの種類

肺がん

わが国では、平成10年肺がんの死亡が初めて胃がんを抜いて第1位になりました。また、高齢になるに従い死亡率の増加傾向が認められます。特に70歳以上の高齢者層においてその傾向が顕著であることと、人口の高齢化が進んでいることにより、死亡者数、死亡率はこの40年余りで急激に増加しています。
罹患数については、依然第3位ですが、近い将来胃がんを抜いて第1位となることが予想されます。肺がんの最も重要な危険因子は喫煙です。喫煙量が多いほど、また喫煙開始年齢が若いほど肺がんの発生の危険は増大するといわれています。肺がんの防御因子として、ビタミンAなどの関連を示唆する疫学研究もあります。
 

胃がん

日本人のがんの特徴は、胃がんが多いことです。平成10年に、初めて死亡数が肺がんに抜かれて2位になり大部分の年齢層で、死亡率の減少傾向が認められます。しかし、罹患(がんの発生)の面では、依然として日本で一番多いがんであるといえます。食事や生活習慣の変化により、若年者層では減少していますが、人口の高齢化により、全体としての罹患者数,死亡者数は横ばいの状態にあります。
 疫学研究によると、胃がんの危険因子としては高濃度食塩の過剰摂取,防御因子としては緑黄色野菜の摂取があげられています。

肝がん

肝がんは、日本人をはじめ東洋人に多いといわれています。わが国における肝がんによる死亡は、平成21年では全がん死の9,5%を占め、男性、女性ともに70代で急増しますが、特に男性はその傾向が強く、死亡者数は男性が女性の2倍以上にのぼります。肝がんの原因の多くは、肝炎ウィルスと言われております。肝炎ウイルスの、特にC型肝炎ウイルスは20年以上の長い年月を経て、肝硬変さらに肝がんを発生することがあります。

大腸がん

大腸がんは、その発生する部位によって直腸がんと結腸がんに分かれます。欧米に多いがんであるといわれていましたが、近年、わが国においても増加の一途をたどっています。平成21年では、大腸がんは全がん死の12.3%(結腸がん8.3%,直腸がん4.0%)を占め、第3位となっています。
 大腸がんの増加の原因としては、日本人の食生活の欧米化、つまり動物性脂肪の摂取量の増加と食物繊維の減少があげられています。

乳がん・子宮がん

乳がんは、わが国でも近年増加傾向にあり、罹患数,死亡数ともに子宮がんを抜きました。死亡者数のピークが50代後半にあり、壮年期の死亡の増加が目立つことが乳がんの特徴です。 また、乳がんは、ほとんどの年齢層において、死亡率が増加傾向にあります。平成21年における死亡者数は昭和40年の約6倍です。
子宮がんは子宮頸部にできる子宮頸がんと子宮体部にできる子宮体がんに分類されます。
子宮頸がんは、性生活や出産と関連があり、ヒトパピローマウイルスの感染が発がんに関与していることがわかり、ワクチンも接種できるようになりなりました。
近年、罹患数,死亡者数ともに減少傾向にあります。
子宮体がんは、閉経後の女性に多く、罹患数,死亡者数ともに子宮頸がんより低いとはいえ、近年、増加傾向にあります。 また、子宮体がんは更年期でもある50代から急激に増加し、加齢とともに増加します。

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